
神経芽腫自然退縮の謎解きと治癒率向上へ
担当研究室
がん先進治療開発研究室(リーダー:中川原 章)
研究の概要
代表的な小児がんのひとつである神経芽腫は、交感神経節細胞または副腎の髄質細胞から発生する神経細胞のがんです。通常、1歳未満の赤ちゃんの神経芽腫は、たとえ肝臓や皮膚、骨髄に転移があっても、自然に治る傾向があります。一方、1歳以上の子供にできると、非常に悪い経過を辿り、治療が効かなくなることが多くあります。
私たちは、この自然退縮の鍵を握る遺伝子である TrkA を発見し、そのリガンドである神経成長因子(NGF)が相対的な欠乏状態になっていることが、自然退縮の実態であることを見出しました。
そのような自然退縮の分子機構を解明し、悪性の神経芽腫を克服するために、重要な新規遺伝子をさらに多数見つけ、それらを標的とした治療法の開発を目指しています。最近、私たちは ALK という遺伝子が変異し、神経芽腫の悪性化に関与していることを発見しました。
キーワード
神経芽腫、自然退縮、TrkA、NGF、ALK、プログラム細胞死
最近の主な文献
- Chen Y et al. Nature 2008; 455: 971-974
- Munirajan AK et al. J Biol Chem 2008; 283:24426-24434
- Tomioka N et al. Oncogene 2008; 27: 441-449
- Nakanishi M et al. J Biol Chem 2007; 282:22993-23004
- Furuya K et al. J Biol Chem 2007; 282:18365-18378
- Aoyama M et al. Cancer Res 2005; 65: 4587-4597
- Ohira M et al. Cancer Cell, 2005; 7: 337-350.
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