千葉県がんセンター
私たちは一人でも多くの千葉県民に質の高いがん治療を提供します。

臨床検査部

近年、エビデンスに基づく医療の重要性が社会的にも認識され、医療の高度化と相まって臨床検査の重要性があらためて認識されるようになっています。臨床検査には高度医療に対応できる高品質な検査データの迅速報告とともに、診断や治療の効果判定の診療支援として、データの活用しやすさが求められています。一方、医療を取り巻く環境の大きな変革により、病院経営においても経済的観点も重視されています。その為、臨床検査の効率的運用が必要となっています。

このような中、当センターの臨床検査部は臨床検査部長を筆頭に19名のスタッフで外来及び入院の患者さんの血液検査や細菌検査などの検体検査、心電図や肺機能検査などの生理機能検査、輸血検査、並びに外来採血業務等を担当し、2006年4月からは宿日直体制による24時間365日体制を導入して、より診療に密着した検査を目指しています。

さらに、センター内の他部門との連携も感染対策チーム(ICT)や栄養サポートチーム(NST)の一員として積極的に活動し多くの患者さんのより良好な入院治療をお手伝いするとともに、「感染症情報」や「MRSA情報」「輸血情報」などの病院疫学的情報の発信を行い、病院感染対策ならびに安全な輸血を推進するためのコントロールタワー的役割も担っています。

構成メンバー

臨床検査部長:滝口伸浩 消化器外科(併任)
臨床検査科長:鶴岡成一
技師:松林恵子、綿引一成、菅野ななみ、田口敏、柿元尚子、羽田真理子、北村登、佐藤美智、浜崎淳子、里村秀行、佐藤万里、稲田豊、菊地広子、菊池愛、三橋由美、尾高郁子、福原麻后、原田さちこ

業務内容

 当センターは厚生労働省から千葉県のがん診療拠点病院として認定された、がんの専門病院です。そのため、臨床検査部には一般病院とは異なる機能も求められています。

(1)がん診療のための特殊検査

細胞表面に存在する各種マーカーを検出・解析するフローサイトメトリーや腫瘍マーカー検査は、がんの診断や治療のために重要な検査です。一般の病院では通常、外部の検査センターに依頼していますが、当センターではがんに関係した多くの検査を院内で行い迅速に結果を報告しています。

(2)がんの臨床研究への取組み

組織の凍結保存プロジェクト:手術で採取されたがん組織は、通常ホルマリン固定後に病理検査を行い保存しますが、がんの遺伝子や蛋白マーカーの検査には、生材料のままで検査をする必要があります。当センターでは、遺伝子などの研究のための組織凍結保存プロジェクトが進行中で、臨床検査部は臨床病理部と共同で、組織の凍結・保存・管理を行っています。一方、血液細胞の免疫染色やフローサイトメータを用いた血液腫瘍細胞解析など、独自の研究でも業績を上げています。

(3)がん診療拠点病院としての役割

コントロール・サーベイ:病院間の精度管理調査をコントロール・サーベイと呼び、現在では国内のみならず国際規模でも行なわれています。国内では日本医師会、日本臨床衛生検査技師会などの主催によるものがあり、同じ試料を多数の施設に配布し、測定値を集計・解析することによって施設間差の実態を調査します。当センターでは毎年必ず参加して、検査技術の向上や分析法の標準化に努めています。さらに、日本臨床検査技師会と日本臨床検査協議会(JCCLS)が主催する臨床検査値共有化事業における千葉県の拠点病院としても認定され、日々の精度管理を徹底して実施しています。

研修施設:臨床検査技師養成のための医療技術系専門学校や生物学系大学の学生の研修を受け入れています。また、千葉県血液検査研究会を主宰し、県内の病院のどこでも血液腫瘍性疾患の診断を可能にすることを目的に、最初に検査結果に触れる臨床検査技師の技術と知識の向上を目指す研修病院の役割を果たしています。
また、県内の地域がん診療拠点病院と連携し、知識・技術の均転化に向けた研修事業を推進しています。

院内感染サーベイランス:厚生労働省・院内感染サーベイランスの検査部門に参加し、耐性菌の出現などの感染症情報を全国の病院と共有し、感染症の予防と治療に役立てています。

(4)認定技師の育成

高度専門医療に不可欠な臨床検査データを、迅速かつ正確なデータとして提供するには専門性の高い技師の育成が重要です。当臨床検査部では各種認定技師の取得を推進し、現在までに認定血液検査技師、認定臨床微生物検査技師、認定輸血検査技師、認定フローサイトメトリー技術者、緊急検査士、超音波検査士などの認定技師が誕生しています。

各検査部門のご案内

業績

  • 麻生裕康:免疫組織化学染色 スタンダード検査血液学 136-137, 2008
  • 田中仲、里村秀行、福原麻后:当センターにおける血中β-Dグルカン測定値と臨床背景 日本臨床微生物学会誌 14(4):92, 2004
  • 松林恵子、麻生裕康、高木敏之:好塩基球の検出における抗CD203cモノクローナル抗体の有用性 日本検査血液学会雑誌 5(1):46-50, 2004
  • 佐藤洋子、加藤はる、酒井力、他:がんセンターにおけるtoxinA陰性toxinB陰性Clostridium difficileによる下痢症の院内集団発生 感染症学雑誌 78(4):312-319, 2004
  • 羽田真理子、麻生裕康:全自動化学発光免疫測定装置ARCHITECT i2000によるSCC抗原測定試薬の基礎的検討 医学と薬学 52(1):101-105, 2004
  • Chikara Sakai, Keiko Matsubayashi, Takashi Saotome, Akihiro Ishii and Kyoya
    Kumagai: Therapy-related Myelodysplastic Syndrome with Trisomy 1q due to der(1;7) and Megakaryoblastic Proliferation Developing during Complete Remission of Therapy-related Acute Myeloid Leukemia with t(8;21) Internal Medicine 43( 7): 582-586,2004
  • 山本雅彦、麻生裕康:フローサイトメータ(FCM)法による細胞表面マーカー解析-院内検査化のための工夫 医学検査 52(8):1074-1075, 2003
  • 麻生裕康、永野浩、松林恵子、高木敏之:急性非リンパ性白血病(ANLL)におけるCD56発現:免疫細胞化学染色法による検討 日本検査血液学会雑誌 3(1):117-123,2002
  • 松林恵子、麻生裕康、永野浩、高木敏之:血液腫瘍におけるp53蛋白の検出:骨髄塗抹標本を用いた免疫染色法の検討 日本検査血液学会雑誌 2(3):261-267,2001

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