病棟の看護
消化器外科
消化器外科では患者さんに最適な治療の選択をしていただけるように、消化器外科と消化器内科の医師が合同カンファレンスを行っています。合同カンファレンスでは検査結果から外科的手術・内視鏡的治療・化学療法・放射線療法などから、最適な治療方法について話し合い、患者さんとご家族の方が納得して治療を受けていただけるように説明しています。
手術療法はDPCが導入されており入院期間が短いため、術前オリエンテーションをはじめ、術前の全身状態の管理と禁煙指導および呼吸器合併症予防訓練が外来から実施されます。手術後は切除によって喪失された機能を最小限にして退院後の生活の再構築への援助を行っています。特に食事や排泄については、栄養士やWOCと連携を取りながら、退院後の生活指導を行っています。
消化器外科でも手術ではなく化学療法や放射線療法を選択する場合もあります。これらの治療は副作用に留意して安全に安楽に治療が継続できるように、薬剤師やMSW、在宅緩和支援チームと協力しながら在宅療養および通院療法ができるように支援しています。
消化器内科
消化器内科では、肝臓腫瘍にTAE療法やRFA療法、胆道系・膵臓疾患に対しては内視鏡的治療を行っていますので、それぞれ治療から患者さん・ご家族の不安を最小限に出来るよう関わります。治療は意識下ですので、事前に十分に関わり、苦痛緩和の対応が出来ること等ご理解頂きます。
また、食道・胃・大腸疾患にはポリープ切除に加え内視鏡的粘膜剥離術が重要な治療です。こちらも治療前の処置や準備の過程で関わり、安心して治療に望めるように関わります。
いずれも、外科的治療に比し低侵襲ですが、患者さん・ご家族にとっては大変な治療です。退院後の生活に心配がないよう、食事や排泄についてどのように管理したらよいかなど退院時指導に盛り込んでいます。
消化器外科・内科は2病棟に分かれているので、合同カンファレンスに参加し、情報共有も常に行っております。急遽入院が必要な場合などは協力して速やかに対応致しております。
乳腺外科
乳がんの治療は初期の段階でも全身治療による微小転移の根絶を目指し、手術は乳房温存術ならびに腋窩リンパ節生検が主流となっています。手術による入院期は5日~10日前後で、手術に向けて画像診断部や看護師とのチームカンファレンスを行い、最終的な病状の診断と治療方針を決定しています。
手術は女性の象徴と言える乳房を切除するため、患者及び家族の意思決定への支援や手術後の精神的支援が重要となります。また、乳がんの患者は長期の経過をたどるため、その間、患者の家族背景や社会背景は変化していくことになります。このような患者自身を取り巻く環境の変化に、患者自身が対処していかれるよう、がん専門看護師や乳がん認定看護師、ピアカウンセラー、精神腫瘍科医師、臨床心理士などと共にチームアプローチを実践しています。
また、術前や術後の化学療法は、外来通院で行われ、化学療法認定看護師や乳がん認定看護師ほか外来看護師と共に、副作用が最小になり、安全・安心に治療を受けられるよう支援しています。
呼吸器科
呼吸器科の入院は、主に西4階病棟が外科的治療、東4階病棟が内科的治療に分かれております。
手術療法
術後合併症予防の為肺機能に応じた呼吸訓練を行い、術後の苦痛が少なく早期に退院できるよう支援しています。
放射線治療
照射野の皮膚障害に対する援助や食欲低下・嚥下障害の出現時には、栄養チームと連携し、看護を行っております。
化学療法
治療を行う患者さんには、使用する抗がん剤の副作用の種類・出現時期・予想方法・対処方法が習得できるようにセルフケア指導の看護を行っております。
症状コントロール
痛みや呼吸困難といった症状のある患者さんには、がんサポートチームと連携して、早期に症状コントロールが図れるよう対応しております。また治療が長期に渡る為必要な患者さんには、呼吸器科の医師・看護師だけではなく、薬剤師・栄養士・臨床心理士等と連携し、チーム医療で患者さんを支えております。
腫瘍血液内科
腫瘍血液内科では、悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫を中心に化学療法の看護を行なっております。化学療法の副作用をいかに最小限に抑えるかが看護の重要なポイントです。その為に患者さん自身が使用できる抗がん剤について副作用、出現時間、予防方法、また副作用出現時の対処方法を取得できるよう援助しております。
治療が長期に渡る為、闘病意欲を支えることが看護師の重要な役割です。その為臨床心理士による面談も取り入れ、共同して心理的サポートを行なっております。また、医師、薬剤師、栄養士、臨床心理士と一緒にチームで患者さんを支える体制をとっています。
無菌室も有し、造血幹細胞移植も行なっております。易感染患者が多い中で、感染予防には特に重点をおいた看護援助を行なっております。インターリンクシステムの導入を行い、感染対策の実施に努めております。
脳神経外科
脳神経外科では、脳腫瘍、中枢性リンパ腫、脊髄腫瘍に対して手術療法・放射線治療・化学療法を組み合わせて治療を行っております。患者さんに安全で確実な医療を提供すると共に麻痺や意識レベルの障害がある患者さんの回復状況に合わせ安全に入院生活を送れるように援助しております。
看護師は、患者さんが辛い治療やリハビリを行う中、意欲の維持と生きる希望を支える為に明るく笑顔を絶やさない事を心がけてケアを行っております。
患者さんとご家族が同じ目標を共有し、「家に帰りたい」という気持ちを尊重し、在宅支援センター看護師と連携をして地域の訪問看護施設などと協力しながら在宅調整に取り組んでおります。
頭頸科
頭頚科の疾患は主に甲状腺癌、喉頭癌、咽頭癌(上咽頭、下咽頭)など、呼吸する・食べる・話す・見るなど、大切な役割りに関連した部位の疾患です。
治療により損なわれた機能の回復や障害を持って社会復帰される患者へのサポートを行っています。治療によって失声となった方、食事を食べられなくなった方、永久気管孔や気管切開により呼吸経路が変更になった方に自宅で過ごし、社会復帰できるように患者・家族に対し、吸入や吸引、気管孔のケアの方法や経管栄養の注入などのセルフケアの方法を指導しています。患者や家族のサポート体制を強化するため、訪問看護や診療と連携し自宅で安心して過ごす事が出来るようにしています。
また、化学療法(超選択的動注療法)や放射線治療(強度変調放射線治療:IMRT)の進歩により、腫瘍部分に対して集中して治療が出来るようになりました。このことから、従来の治療では温存できなかった機能や外観の変化を最小限に留めることが出来ます。しかし、副作用による粘膜炎で一時的に激しい痛みを伴うため、鎮痛剤を使用したり、食事の形態を変更したりしながら、治療が継続して行なえるように患者の症状に合わせ的確なアセスメントと対策を講じ、看護ケアの提供を行っています。
婦人科
婦人科では、子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん等に対し手術療法・化学療法・放射線療法を組み合わせ、ガイドラインに沿った治療を行っています。特に手術療法による子宮・卵巣といった臓器を摘出しなければならない患者は、女性としての喪失感やセクシュアリティーの問題などを抱えるため、心のケアにも重点を置いて看護を提供しています。また、リンパ浮腫予防として、セルフマッサージの指導や患者個々に合った生活指導にも力を入れ、退院後の生活の質の維持・向上に努めています。
化学療法は短期間の入院や外来通院での実施となりますが、育児や家事をしながらの通院治療となるため、抗がん剤の副作用のみならず、生活背景にも十分気を配り、安全・安心に治療を継続できるよう外来看護師と連携した支援を行っています。
ターミナル期においては、何処で誰とどのように過ごしたいか患者自身が自己決定できることを大切に支援しています。難治性のがん性疼痛などの症状コントロールは緩和支援チームと連携し、療養場所の決定についてはMSWや在宅支援部と連携し、チームアプローチによる支援を行っています。
泌尿器科
泌尿器科では、クリニカルパスを用いて医療の質を保証し、患者さんと退院までの目標を共有しながら看護をしています。
泌尿器科疾患は、処置やケアに羞恥心を伴うので年齢を問わず配慮が必要です。また、排泄機能の障害については社会復帰に向けて丁寧に指導をいたします。特にストマ造設の方は、ボディイメージの変容が大きく精神的に動揺が強くみられますので、心身の状態に併せて指導を進めています。退院後は、外来へ情報を伝え、継続してフォローアップができるようにしております。
毎週火曜日はストーマ外来で皮膚・排泄ケア認定看護師がケアや相談を受けています。
整形外科
整形外科は、学童期から老年期までの幅広い年代の患者さんが対象で、骨・軟部腫瘍の集学的治療に沿った看護を行っています。骨の悪性腫瘍は、抗がん剤治療のあとも、手術、抗がん剤治療と長期にわたって治療が必要です。特に学童期の患者さんは、仁戸名特別支援学校との院内学級、発達段階に応じた看護を展開しております。
抗がん剤治療では副作用に対する症状の緩和や患者のセルフケア能力を高め、感染予防につとめ日常生活の援助を行ないます。手術後は機能障害に応じ、個々にあわせたリハビリを作業療法士と協力して行なっております。
長期の入院や、転移・再発といった厳しい身体状況の中でも、前向きに治療に望めるよう患者・家族に対し、医療者が連携を組み心のケアを行っております。
緩和医療科
緩和医療センターでは、がんの患者と家族のQOL(生活の質)の改善を図るための医療を行なう場です。疼痛や呼吸困難・不眠などの症状が緩和されるように症状のアセスメントをはじめ、患者とご家族の状態を把握し、治療の評価をしながら日常生活の援助を行なっております。
日々のカンファレンスでは、医師をはじめクラークや多職種の方と情報交換をし、意見を反映させながら看護を展開しております。季節の行事やピアノの演奏会、ボランティアの方のティーサービスなどは、苦痛を和らげるケアの一つとして大切にしております。
患者さんの「家族との時間を大切にしたい」という気持ちを尊重し、在宅支援部(サポーティブケアセンター内)のスタッフと連携し、患者さんとご家族が在宅療養を安心して継続できるように退院調整及び地域との連携を行なっております。
放射線治療科
がん治療において、放射線治療は根治治療から症状緩和まで重要な役割りを持っており、放射線治療を受ける患者も急増しています。
一般的な外照射に加え、強度変調放射線治療(IMRT)では腫瘍の形に合わせ放射線を集中して照射する事が出来、照射を避けたい部位には照射量が少なくなるようにすることが可能となりました。このことから、腫瘍制御率が向上し合併症が軽減できています。また、化学療法との併用で更に治療効果も高まっています。しかし、放射線や化学療法との併用で局所の有害事象が増強されています。
放射線の有害事象は、適切な症状の評価と看護ケアによって、その影響を軽減したり、最小限に抑えることができ、治療の継続を可能にします。
放射線科では放射線外来と病棟管理が一元化されており、患者の様子や治療の経過を共有して関わり、相互が継続した看護の提供を行っています。
放射線看護では、放射線治療の理解を深めていただくために治療が決定した外来から看護師が関わり、治療についての説明を行い、治療中・治療終了時に患者自身が有害反応の観察とセルフケアが確立できるように患者指導・教育に重点を置いたケアの提供を行っています。
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