泌尿器科(前立腺センター)
1)診療内容と方針
当科は、尿路悪性腫瘍・男性器悪性腫瘍の内科的・外科的治療を行なっております。EBMに基づいた標準治療を質高く提供することを基本方針とし、さらには先進的治療や治験にも積極的に取り組んでおります。ほとんどの疾患に対しクリニカル・パスを適応し、入院の標準化と治療の適正化を図っております。その他、腎がん・腎盂尿管がんに対する腹腔鏡手術、膀胱がんに対する自排尿可能な代用膀胱、膀胱がん・前立腺がんに対する新規抗癌剤の使用、腎がんに対する分子標的治療薬、新規薬剤の治験なども積極的に行なっております。
前立腺がんカンファレンス
当センターでは国内で選択可能な前立腺がんの標準治療をすべて提供しております。診断・治療法の選択にあたって泌尿器科・放射線治療部・画像診断部とのカンファレンスを行った上で治療の選択肢を患者さんに提示し、丁寧な説明を心掛け、個々の病状にあった治療を行っております。
地域連携クリティカル・パスのご紹介
当科では、近隣の泌尿器科開業医師と「千葉泌尿器科地域連携協議会」を設立し、平成19年11月より、前立腺がんを中心とした地域連携クリティカル・パスによる地域連携を開始しました。
現在の参加施設は21医療機関に上っており、前立腺がん・膀胱がんの6つのパスが運用されております。平成22年6月末現在で1006人の方が、地域連携クリティカル・パスによる地域連携を図っています。
早期前立腺がんに対する高密度焦点式超音波療法(HIFU)
おおよそ120万円の自費診療ですが、出血がほとんどなく低侵襲であり、かつ手術翌日の退院可能など長期入院を希望しない患者さん向けです。
ロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術のご紹介
近年前立腺特異抗原(PSA)検診や患者さんの前立腺がんへの関心が高まり、当センターへ受診される患者さんが増加しております。県民の皆様のご要望に応じるためにこれまでも手術では開腹手術や高密度焦点式超音波療法(HIFU)、放射線治療では強度変調放射線治療(IMRT)、小線源治療などおこなっており、当センターのみで治療が完結できるようにしてまいりました。さらに平成23年7月に最新医療機器であるda Vinciサージカルシステムを導入いたし,平成23年9月からロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術(ロボット支援手術)を開始いたしました。
日本では東京医科大学をはじめに、平成23年12月現在33台が日本に導入されました。da Vinciサージカルシステム導入は千葉県で初めてであり全国の自治体病院で初めてとのことです。 ロボット支援手術は、腹腔鏡手術を遠隔操作で行う手術支援装置です。泌尿器科領域では前立腺全摘術がもっとも多く、その他、消化器、呼吸器、循環器、婦人科など多くの疾患で応用されています。米国におけるロボット支援手術は、すでに1000台を超えております。米国において前立腺手術は年間10万件行われておりますが85-90%がロボット支援手術で行われています。
ロボット支援手術は、開腹手術と腹腔鏡手術の両方の利点があります。医師はイスに座って自然な姿勢で10倍の拡大視野で3次元モニターみながら手術操作を行うものです。手術操作は開腹手術のように直観に基づいた手術操作がストレスなく自由に行えます。炭酸ガスで圧をかけて手術しますので出血も少なく、傷も少なく、術後の痛みも少ないため体力の回復も開腹手術より早いです。ロボット支援手術は腹腔鏡手術の弱点である縫合操作が確実にできます。
費用ですが平成24年1月現在、自費診療です。当センターでは前立腺がんカンファレンスによる3科合同カンファレンス(泌尿器科、放射線治療部、画像診断部で構成)で前立腺がんの病期診断を行った上に、治療方法の提示を行っております。受診ですが紹介状は特に必要ございませんが予約センター(043-264-5431 代表)で予約をされたほうがスムーズに受診できます。治療の詳細はパンフレット(
/1165KB)をご覧ください。
腹腔鏡手術
腎がん・腎盂尿管がんに対して行っております。傷も小さく、入院期間も短く、早期の社会復帰が可能です。
分子標的治療薬
切除不能あるいは進行性腎がんに対して現在3種類保険適応が得られており、平成22年6月末現在延べ79人の使用経験があります。
代用膀胱
適応は限られますが膀胱全摘後の尿路変更に対して自排尿可能な代用膀胱も行っております。
埋没縫合
平成21年1月より膀胱全摘以外の開腹手術では、吸収糸による埋没縫合を行っているため、手術創の抜鈎(医療用ホチキスの使用)を行っていません。膀胱全摘も平成23年1月より埋没縫合を行なっております。
分子標的治療薬
切除不能あるいは進行性腎がんに対して現在4種類保険適応が得られており、延べ110例の使用経験があります。
治験
腎がんや前立腺がんに対する分子標的治療薬を行っております。
地域医療連携
前立腺がんや膀胱がんに対して地域連携クリティカルパスを用いて近隣医療機関との連携を進めております。
2)主な対象疾患と治療法
《主な治療のご案内》
| 疾患例 | 治療項目 | 退院までの おおよそ 日数(術後) |
ご案内 | 19年度の件数 | 20年度の件数 | 21年度の件数 | 22年度の件数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 前立腺がん | 開腹前立腺全摘除術 | 7日 | 限局がんと一部の局所浸潤がんが適応となります。 | 96 | 109 | 150 | 114 |
| 高密度焦点式超音波療法(HIFU) | 1日 | 19年度より導入。早期がんが適応で、自費診療(120万円前後)です。 | 4 | 7 | 11 | 2 | |
| 両側精巣摘除術 | 4日 | 内分泌療法として希望がございましたら行っております。 | 1 | 5 | 6 | 6 | |
| 前立腺生検 | 1日 | 入院当日の午後に生検を行い、翌日退院となります。 | 346 | 396 | 387 | 505 | |
| 腎腫瘍 | 開腹腎摘除術 | 7日 | T1であれば、腹腔鏡下部分切除術・腹腔鏡手術・開腹部分切除術、T2では、腹腔鏡手術または開腹手術、T3以上は開腹手術を施行しております。手術不能な進行がんや再発例はインターフェロン以外に分子標的治療薬も治療選択に加わりました。 | 23 | 24 | 14 | 19 |
| 開腹腎部分切除術 | 4 | 5 | 4 | 4 | |||
| 腹腔鏡下腎摘除術 | 5日 | 29 | 33 | 39 | 24 | ||
| 腎盂尿管腫瘍 | 開腹腎尿管 全摘除術 |
8日 | 早期がんであれば、腎摘を腹腔鏡で行っております。 | 7 | 6 | 3 | 12 |
| 腹腔鏡補助下腎尿管全摘除術 | 7 | 9 | 9 | 3 | |||
| 膀胱腫瘍 | 経尿道的膀胱腫瘍生検 | 2日 | 早期がん(T1以下)は内視鏡切除により膀胱温存に努めております。再発の頻度が多い場合、膀胱注入療法(抗がん剤、BCG)を行っております。進行がん(T2以上)の場合、膀胱全摘を行い、尿路変向は回腸導管または自排尿可能な代用膀胱を施行しております。 | 28 | 23 | 19 | 22 |
| 経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 3日または6日 | 153 | 129 | 163 | 193 | ||
| 膀胱全摘回腸導管造設術 | 21日 | 17 | 27 | 17 | 24 | ||
| 膀胱全摘 代用膀胱造設術 |
28日 | 1 | 1 | 0 | 0 | ||
| 精巣腫瘍 | 高位精巣摘除術 | 4日 | 早く次の治療(化学療法)に移れるよう配慮しております。 | 20 | 13 | 15 | 13 |
| 前立腺生検のみ腰椎麻酔、他は全身麻酔で行っています。 | 736 | 787 | 837 | 941 | |||
| 副腎 | 腹腔鏡下副腎摘除術 | 2 | |||||
| 副腎 | 開腹副腎摘除術 | 1 | |||||
| 骨盤内臓器全摘出術 | 4 | ||||||
3)構成メンバー
部長
植田 健(うえだ たけし)
H元年 千葉大学医学部卒
専門は泌尿器悪性腫瘍
特に前立腺がん 腹腔鏡下手術
- 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
- 日本泌尿器科学会 腹腔鏡技術認定医
- 日本内視鏡外科学会 認定医
- がん治療認定医
医学博士
医長
深沢 賢(ふかさわ さとし)
H12年 千葉大学医学部卒
専門は泌尿器科悪性腫瘍
特に前立腺がん、膀胱がん
- 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
- がん治療認定医
- 日本泌尿器科学会 腹腔鏡技術認定医
医学博士
医長
小丸 淳(こまる あつし)
H12年 千葉大学医学部卒
専門は泌尿器科悪性腫瘍
特に前立腺がん
- 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
- 日本泌尿器科学会 腹腔鏡技術認定医
- 日本内視鏡外科学会 認定医
- がん治療認定医
医学博士
医長
小林 将行(こばやし まさゆき)
H15年 千葉大学医学部卒
専門は泌尿器科悪性腫瘍
- がん治療認定医
- 日本泌尿器科学会 専門医
医学博士
医長
斎藤 允孝(さいとう よしたか)
H16年 近畿大学医学部卒
専門は泌尿器科悪性腫瘍
- 日本泌尿器科学会 専門医
医員
宮坂 杏子(みやさか きょうこ)
H17年 奈良県立医科大学卒
専門は泌尿器科悪性腫瘍
- 日本泌尿器科学会 専門医
レジデント
塩田 恵里(しおだ えり)
H20年 帝京大学医学部卒
専門は泌尿器悪性腫瘍
レジデント
李 芳菁(り ほうせい)
H13年 台湾国立陽明大学卒
専門は泌尿器悪性腫瘍
経営戦略部長
浜野 公明(はまの まさあき)
H元年 千葉大学医学部卒
専門は泌尿器悪性腫瘍
特に前立腺がん 膀胱がん
- 日本泌尿器科学会 専門医・指導医
4)外来診療担当表
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