乳腺外科
1)乳腺外科の方針
当科では、「正確な診断、適切な手術、術後はEBMに基づいた全身治療、新規抗がん剤の導入および積極的な臨床試験(治験)への参加」をモットーに、より質の高い医療を提供するように努力しています。
外来初診患者には、初診日に診察前に乳房のレントゲンを撮って頂き、診察室で医師が乳房の超音波検査を行いますのでその場で直ぐに検査結果の説明が受けられます。必要な場合には細胞診検査(しこりに細い注射針を刺して細胞を採取し、顕微鏡で細胞の良悪性の判定を行う)を行い、一週間以内に結果を説明致します。診断困難例に対しては、MRI検査や針生検を行い、極力患者に負担のかからない方法で正確な診断を行います。
2)主な対象疾患と治療法
《早期乳がん》
手術は、積極的に乳房温存療法を行っています。乳房温存療法は、乳房の部分切除と術後の温存乳房に対する放射線治療から成り立っている治療法で放射線治療部と協力して行っています。
*RFA (ラジオ波焼灼療法)
RFAとは、2cm以下の小さな乳がんに対してメスを用いずにがんをラジオ波で焼いてしまう乳房温存療法です。皮膚に大きな創をつけずに済み、又乳房の変形も少ないので今後期待される治療法です。

- 手術前に抗がん剤を投与して腫瘤を小さくしてから乳房温存療法を行う場合もあります。
- 腋下のリンパ節は術前の検査で転移がないと予測される人に対して、センチネルリンパ節生検という方 法を用いて腋下リンパ節郭清の省略を試み、腕のむくみなどの術後の症状を極力避けるようにしています。
- 術後は、それぞれの患者さんの病状に応じて科学的に再発予防効果が証明されている化学内分泌療法を行うことによって一人でも多くの患者が完治されることを目指しています。術後補助化学療法は、腫瘍・血液内科が担当しています。
- より効果が期待でき、QOLを損なわない新しい治療(抗がん剤や手術法など)を開発するために、患者の協力を得て積極的に臨床試験(治験)を行っています。
《昨年度の主な治療件数(平成20年度)》
| 疾患別手術件数 | |
|---|---|
| 原発性乳がん | 361件 |
| 再発乳がん | 4件 |
| 良性腫瘍 | 4件 |
| その他 | 3件 |
| 合計 | 372件 |
| 乳房手術件数 | |
|---|---|
| 乳房切除 | 161件 |
| 乳房温存術 | 186件 |
| ラジオ波熱凝固療法 | 14件 |
| 合計 | 361件 |
| 腋窩手術件数 | |
|---|---|
| リンパ節生検(SNB)のみ | 210件 |
| SNB→腋窩郭清 | 49件 |
| 腋窩郭清術 | 89件 |
| 腋窩検索せず | 13件 |
| 合計 | 361件 |
主な治療のご案内
| 治療項目 | 入院/外来 | 治療に要する日数 | ご 案 内 |
|---|---|---|---|
| 乳房部分切除+ センチネルリンパ節生検 |
入院 | 5~7日 (術前2日・術後2~4日) |
入院前に全検査を終えて頂き、手術となります。郭清範囲を最小限にできるよう、術中にセンチネルリンパ節生検を行い、郭清範囲を最小限にできるよう努めております。 |
| 乳房全摘+ 腋窩リンパ節郭清 |
入院 | 8~10日 (術前2日・術後6~8日) |
術後は翌日からリハビリを開始する事で二次合併症予防に努めております。病棟及び外来スタッフが、個々の日常生活に合わせたオリエンテーションを行なっております。乳房再建や補助具についてのご相談も承っております。 |
| RFA+ センチネルリンパ節生検 |
入院 | 5~7日 (術前2日・術後2~4日) |
一昨年2月より臨床試験として行なっております。全麻下で行ないますが手術当日にはADL拡大を図り、翌日からは制限なく過ごせております。低浸襲治療として今後期待されている治療法のひとつです。 |
3)構成メンバー
部長
S60年 三重大学医学部卒
- 日本外科学会 専門医・指導医
- 日本乳癌学会 認定医・専門医・評議員
- 日本臨床細胞学会 専門医・指導医
- 日本癌治療学会 臨床試験登録医
- マンモグラフィー検診精度管理
中央委員会認定読影医
医長
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H10年 弘前大学医学部卒
専門は乳腺外科
- 日本外科学会専門医・認定医
- マンモグラフィ検診精度管理
中央委員会認定読影医
医長
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H11年 広島大学医学部卒
専門は乳腺外科
- 日本外科学会専門医・認定医
- 日本乳癌学会認定医・専門医
- 日本臨床細胞学会専門医
- 日本がん治療認定機構認定医
- マンモグラフィ検診精度管理
中央委員会認定読影医
医長
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H14年 千葉大学医学部卒
- 日本外科学会会員
- 日本乳癌学会会員
- マンモグラフィー検診精度管理
医員
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弘前大学医学部卒
4)外来診療担当表
5)研究実績、論文等
*1 山本 尚人、鈴木 正人、田辺 直人:
乳がん ―基礎・臨床研究のアップデート―
「術前化学療法の適応と限界」 日本臨床 65巻 増刊号6 2007*2 山本 尚人、鈴木 正人、笠川 隆玄:
タキサン系抗がん剤投与中止例から見た副作用対策と至適中止時期 乳癌の臨床 第19巻 3号 2004*3 山本 尚人、鈴木 正人、笠川 隆玄、土岐 朋子、藤森 俊彦、影山 肇、藤本 修一:
Trasutuzumab(Herceptin)の適応決定にFISH法はどこまで必要か?癌の臨床 第51巻 第4号 2005
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