婦人科のご案内
婦人科では、どの治療の患者さんに対しても、可能な限り低侵襲治療を行い、機能温存に努めております。入院は、女性のみの病棟で、患者さんの入院生活が快適に治療に専念できるよう、スタッフ一同穏やかな環境づくりを心がけています。
上皮性卵巣癌
上皮性卵巣癌は、初回手術が重要です。手術を行い、迅速病理組織診断による確定診断と、正確な病気の進行度を知ることが手術後の治療に大きく関わってきます。また、手術でできるだけ腫瘍を切除することにも大きな意味があるのが上皮性卵巣癌の特徴です。
■手術療法
手術によって正確な進行期を把握することは、手術後に化学療法を追加する必要性があるかどうかを決める上で非常に重要です。また、手術時にすべての腫瘍を取りきることが難しい場合であっても、腫瘍をできるだけ減量することが卵巣がんの予後に反映されることがわかっていますので、最大限の腫瘍減量手術を行います。
一般的に上皮性卵巣癌に対する初回標準手術としては、単純子宮全摘術、両側附属器切除術、大網部分切除術、後腹膜リンパ節(傍大動脈・骨盤リンパ節)試験切除術が施行されます。
■化学療法
卵巣がんに対する第一選択の化学療法としては、パクリタキセル、カルボプラチンの併用化学療法を施行しており、第二選択としては、カンプトテシンを含む薬剤の併用(カンプトテシン/シスプラチン、カンプトテシン/マイトマイシンCなど)を行っています。
悪性卵巣胚細瘍
卵巣胚細胞腫瘍は、若年者に多いため、初回手術は妊娠の可能性を残す手術を行うことが基本です。また、卵巣胚細胞腫瘍は、一般的に抗がん剤への感受性が高いので、進行がんであっても片側の附属器切除にとどめ、術後の抗がん剤治療が治療の中心となります。
■手術療法
妊娠を希望される場合は、子宮卵巣温存手術や片側のみの附属器切除術を検討します。
■化学療法
卵巣胚細胞腫瘍に対する化学療法の第一選択はBEP治療(ブレオマイシン/エトポシド/シスプラチン)であり、その腫瘍縮小効果は90%前後といわれています。第二選択薬には特に効果の認められた多剤併用治療はありませんが、患者さんの病状やご希望などご相談しながら治療を選択していけるようサポートすることを心がけています。
子宮体癌
子宮体がんの診断が確定した患者さんは、開腹手術を行います。手術後の病理組織学的診断により、再発のリスク因子が2項目以上ある方には手術後に補助化学療法を行います。リスク因子が1項目の場合は、追加治療は行わず経過観察となります。手術で完全に病巣が取りきれなかった場合や、遠隔転移がある場合には、補助化学療法と同様の化学療法を行っています。
■手術療法
単純子宮摘出術、両側附属器切除、後腹膜リンパ節郭清などを行います。
子宮温存を希望する若年性の子宮体がんの患者さんのうち、高分化型、ステージ
a期の方は、妊娠機能を温存する子宮内膜全面そうは掻爬術の後、高用量酢酸メドロキシプロゲステロンの内服を6か月行う妊よう性温存治療が可能な場合があります。
■化学療法
手術後の病理結果で、筋層浸潤、リンパ節転移、脈管侵襲などの再発のリスク因子が2項目以上あるに対し術後補助化学治療(パクリタキセル/カルボプラチン, ドセタキセル/カルボプラチン、シスプラチン/テラルビシン/イホマイド治療など)を施行しています。
手術だけでは完全に病巣が取りきれなかった方や、遠隔転移がある方に対しては補助化学療法と同様の化学治療を施行しています。
子宮頸癌
子宮頚がんは、婦人科系のがんの中でもっとも多いがんです。子宮頸がんの治療は、病期やがんの種類、妊娠の希望の有無などを考慮し、手術療法、化学療法、放射線療法などをさまざまに組み合わせて治療を行っています。
0期-
A1期で、子宮の温存を希望される患者さんに対してはLEEP円錐切除術を施行しています。
A2-
b期のうち、手術が可能な方は、広汎子宮全摘出術を行い、手術後の病理組織検査で骨盤リンパ節に転移がある方については抗癌剤治療、傍子宮組織に浸潤がある方に対しては、放射線治療を行っています。
B2-
B期のうち、腫瘍が非常に大きい場合や、
期の患者さんに対しては放射線単独治療またはシスプラチン同時併用放射線治療を施行しています。
期のうち腫瘍が大きい方や
A期症例の患者さんで、同意が得られた方には重粒子線(炭素線)治療を施行しています。
※重粒子医科学センター 放射線医学総合研究所にご紹介しています。
B期(傍大動脈リンパ節転移陽性)の患者さんに対しては、術前化学治療を行い、腫瘍が縮小した場合は手術治療(広汎子宮全摘出術)を行うことができます。効果が得られなかったり、進行している場合は、放射線単独治療またはシスプラチン同時併用放射線治療を施行しています。
局所再発の治療では、過去に放射線による治療を受けていない場合は放射線治療を行います。過去に放射線治療を行った方や、遠隔転移のある方に対しては抗癌剤治療を選択しています。
■化学療法
扁平上皮癌に対してはBOMP(ブレオマイシン/ビンクリスチン/マイトマイシンC/シスプラチン)治療、腺癌についてはMEP(マイトマイシンC/エトポシド/シスプラチン) が標準的な抗がん剤治療です。
| 治療項目 | 入院/外来 | 治療に要する日数 |
|---|---|---|
| LEEP手術 | 入院 | 2泊3日 |
| 子宮体がん手術 (リンパ節郭清あり) | 入院 | 約12日間(術前2日+術後10日前後) |
| 子宮頚がん手術 (広汎子宮全摘) | 入院 | 約16日間(術前2日+術後14日前後) |
| 卵巣がん手術 (腸管合併切除あり) | 入院 | 約12日間(術前2日+術後) |
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